月刊花火句会

花火句会は2004年夏、花火シーズンの真っ只中で発足しました。 集まったのは、当時40代から60代の10名余り、全員がそれまで俳句なんぞ作ったことがないというど素人ばかり、それでも俳人山口勝行氏の指導を得て、月1回の句会、年1~2回の吟行を行っております。 句会は、参加者が事前に用意した兼題1句を含む当季雑詠5句を提出、全員で選句します。 選句された句は、入点句として、次回の会報で発表されます。 会員による選句とは別に、山口勝行氏選の優秀句(1、2句)は、山口賞となります。 句会後には、自由参加で懇親会もあり、当日の会員の句を褒めたりけなしたり、まさに議論百出です。

2015年05月



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その② 高津按庵/上田三枝


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高津按庵



 行く春や憎まれながら三百年 (鬼城)
 
 俳句には説明がいらぬというが、何のシチュエーションもなしに、この句をみると、ひょっとしたらM老人の事を詠んだのではないかーと思う人もあるのではないか。先日、名鉄沿線ハイキングコースにしたがって「吉良吉田」(現西尾市内)を歩いてきた。その中に、忠臣蔵で悪役にされてしまった吉良上野介の菩提寺であるという華蔵寺にあった句碑である。この人は吉良の地では民に慕われる名君であったらしい。「赤馬にのった銅像」や「赤馬の径」もあった。私は、悪者にされた人に同情する質であるので、感慨深いものがあった。
 華蔵寺より数キロ手前に、国宝金蓮寺弥陀堂があった。こんな所に国宝が! パンフレットによると、平等院鳳凰堂(京都)、中尊寺金色堂(岩手)、富貴寺大堂(大分)と並び称されるものであるという。平安末期~鎌倉初期に建てられたものがよくぞ奇跡的に残ったものだ。領主の庇護と地元民の厚い信仰心に支えられてきたという。そういう土地柄と吉良のお殿様(上野介)の姿が重なる。時は流れ、街おこし運動にもつながっている。
 冒頭の村上鬼城の句に戻る。この句碑をみたとき、“どこがいいのかよくわからん、ひょっとすると駄句では?と思ったが、書き綴ったのち、みてみると、良い句に思えてきたから不思議だ。俳句には説明がいる!
 
 行く春や無視されつづけ三十年(按庵)
 
 これには説明はいらぬ。私の事かM老人の事かはわからぬが……わかるのは駄句ということだけだ。
 
 閑話休題 
 
 向日葵――ゴッホの絵で有名なこの花は熱い日差しを浴びた大地に大きな花を開かせるものだと思っていた。が、先日、知人より頂いたそれは、まだ花は小さく茎だけがとても長く、蕗かと思う程だった。私事で恐縮だが、私の愚妻は先日白内障の手術を受け、現在、小野洋子さん(ジョン・レノンの伴侶)ばりのサングラスをかけている。知人曰く、“去年、あまりにきれいだったので…”と、お見舞いも兼ねた心のこもる向日葵だった。術後の目がちょっと回復したとき、室内の透明の花びんの中で花が開いた! 成程、まさしく向日葵である。我が家で開いた向日葵の黄は、派手ではなく、気のせいか、ちょっと慎ましい。日本の気候がこの2~3年、亜熱帯的になり、春秋が極端に短くなった――季語(季節感)を大切にする俳句も現実感のそぐわぬ今日であるが、それでも、これは、けなげに黄色を立派に主張している!
 またまた、私事で恐縮だが、明後日は吾娘(あこ)の結婚式だ。偶然にも吾娘のお気に入りの花は向日葵であった!
 
 向日葵の花びんに開き吾娘おくる(按庵)
 
 この程度の説明のいる句しか浮かばぬが――娘にとっても、私にとっても、一生に一度の事であり(何度もあっては困るが)、そして、この向日葵も一生に一度の花を開いている!
 前述の知人は“挙式で、娘をおくる母親は嬉しそうに、父親は顔をひきつらせている”と言うが、私はどうだろうか? いずれにせよ、良い句は浮かばぬが、これも立派な俳句の風景である。






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上田三枝


月一回の俳句の会 ちょぴり年齢層は高い。なんと私が若いと言われるのだから・・・。
居心地はとても良い。昔からどちらかと言えば、同い年や年下よりも年上の人と話す方が楽だった。年上の人に「同級生としゃべっているようだ」と言われた事もある。だから、優しく楽しい人達との俳句の会はとても楽しい。
 
 仲間との楽しき宴夏の夜
 
月一回の俳句の会 私は俳句を作るのに苦労している。いつまでたっても上達しない。
俳句の日が近づくと気が重くなる。“5句出来てない、どうしよう”と思ってしまう。
何とか作っても、どこか残念な句になっている。だから俳句の会はとても憂鬱である。
 
 窓もたれ白きノートや夏の雨
 
月一回の俳句の会 相反する私がいる。いつも揺れ動いている。でも、最近の私は新聞やテレビで俳句が書いてあったり映っていたりすると、つい見たり聞いたりしている。なんだかんだ言いながら俳句にはまっているのかもしれない。だから、俳句の会頑張ろう!
 
 日々の中青葉と俳句眩しけり
 





伝言板

           参茶主催の
      “あんまり暑いんでやっとれん。
      ビアガーデンに集まろうよ”の会

          6月7日(日) 

【場所】 中日ビル屋上ビアガーデン
【集合】 中日ビル一階ロビー
【時間】 18:00~

費用は全額太っ腹の参茶持ち。参加される方は6月5日までに藻六までご連絡ください。事前に参加人数を知りたいそうです。


月刊花火句会 これからの刊行予定

 6月20日:2015年6月号
   『6月定例句会(6月13日)報告』
 
 6月30日:2015年6月増刊号
    エッセイ・俳句のある風景
    その③河村仁誠/本田柑子


句会の予定

【日時】 2015年6月13日(土) 18:00~
【会場】 金山アカデミーセンター4F
【兼題】 『草取(くさとり)』を含む当季雑詠5句

◆参加ご希望の方は、兼題1句を含む当季雑詠5句をご用意ください。
◆事前のご連絡は不要です、当日会場に直接お越しください。
◆参加料は1000円です。
 

投句の受付
 
◆投句料は不要、投句される方は、メールにてお願いいたします。
◆作者名は本名でも俳号でもかまいません。
◆投句数は5句以内でお願いいたします。
◆締切りは6月11日(木)とさせていただきます。
◆投句いただいた作品の内、句会での入点句は、次回のブログにて発表させて
  いただきます。
◆受付メールアドレス:haikuhanabikukai-aichi@yahoo.co.jp




【日  時】 2015年5月2日(土)
【会  場】 金山アカデミーセンター4F
【出席者】 勝行先生、按庵、沓九郎、藻六、智昭、三枝、柑子、仁誠、小麦(以上9名)
【投句者】 U太、カモメ、一筋
【兼  題】 『葉桜』を含む当季雑詠5句
 
 
句会後に行った居酒屋でひと悶着。初めての店。入店してさて注文という時に店員からすすめられたのが飲み放題つき、税込み3000円ぽっきりコース。いちいち注文する手間もいらないし、それでいくかと9名分を注文。ところが、一時間半ほど酒と食事、談笑を楽しんで、さて帰ろうかと支払いになったら、1名3170円だという。何じゃ、それ! 店側のいうには、GWなので割増とのこと。聞いていないよォ、それ! なら最初にそれ言ってよ。こういう場合の対応って難しいですよね。1人170円、目くじらを立ててケンカするほどの額じゃなし、かといって、もうみんなから割り勘で集金しちゃったし、ああそうですかとすんなり払うのもしゃくにさわるし。そこでまずは本日の会計係の智昭、ついで交渉ごとに慣れた沓九郎を代表としてレジに派遣、やんわりと抗議・交渉した次第。もちろんそれで判定が覆るはずもなく、そこは紳士淑女(?)揃いの花火句会、請求されたままの支払で退店となりました。この手違いの原因は? (仁誠が嬉しそうに、ボッタクリだ、ボッタクリだと呟いていたけど、それはないと思う。なにしろ170円ですから) 店側内部での情報伝達の不備といったところでしょうか。しかし、週末の宿泊代が高くなることはよくありますが、料理が割増というのは初めて聞きました。さてこの割増分はどこに行くのか。智昭が、人手不足の業界なんでこのGW中は店員の時間給を上げなければならない、それでだと訳知り顔で解説していましたが、果して真相は? 後味の良くないハプニングではありましたが、正直に言うと、ああだこうだ、おかげで大いに盛り上がらせてもいただきました。その意味では感謝です。多分、この店、二度と行かないと思うけど。句会後のいい飲み処を求めて、花火句会のさすらいの旅は続きます。
 
閑話休題。句会の報告ですが、なんと伏兵馬の智昭がトップ! 2位の小麦、一筋とは3点差の11点でした。単独トップは初だと思う。本人にとっては記念日的な句会になりました。という訳で、以下はお立ち台での智昭のコメントです。
コングラチュレーション
 
初めての「トップ賞」ということで、心よりありがとうございます。思ってもみない「トップ賞」でした。
実は今回の5句とも、これといった「自信句」は無く、ビックリの「トップ賞」です。「即きすぎ」の句あり、「助詞」の使い方に問題ありと、課題噴出でお恥ずかしい限りですが、これを励みにもっと勉強してゆきたいと思います。ありがとうございました。
(智昭)
 
 
一席 
老医師のカルテは手書き春の風邪
/智昭


二席 
三角巾きりりと娘ちまき売る/小麦
ぬか床を起こして夏の野菜待つ/一筋


 
今月の入点句は特選句)
 
山口勝行
新園児初の外出(そとで)や風五月
初っ端に買ひし筍持て余し
草食の男児にエール端午の日
菖蒲葺く民宿に解く旅衣(たびごろも)
 
増田智昭
老医師のカルテは手書き春の風邪
春の宵紅茶に少しブランデー
葉桜や軍国少年年老ひて
五月雨に母の差し出す傘さして
来てみれば母校の桜葉となりぬ
 
加藤小麦
三角巾きりりと娘ちまき売る
禁煙にまたも失敗花は葉に
はらはらと散る牡丹(ぼうたん)の息づかい
 
御酒一筋
ぬか床を起こして夏の野菜待つ
春の畑地球の皮をひんめくる
春なのだあらゆるものが動いてる
 
河村仁誠
そろそろかもういいころね更衣
放課後のグランド狭き夏来る


本田柑
葉桜や避けつつ過ぎる水たまり
ふつふつと沸くコーヒーや若草葉
孫たちと出かける妻や春日傘
ほとばしる洗車の水や夏隣
 
上田三枝
菖蒲湯や響きて子らの声外に
葉桜や人波消えし散歩道
夏シャツの眩しき白に吸い込まれ
 
中谷U太
おぼろ夜を栞はさみて眠りけり
 
深井沓九郎
筍や母の料理の変わらざる
葉桜や手水幾度も掛けにけり
春愁の思春期の子慰むる
車椅子の少年笑ふ夏に入る
 
原藻六
老いるとは引き算ばかり薄衣
いざいかん筍掘りに曙光さす
恋かもと少女ときめく五月来ぬ
花は葉に馬券は屑に競馬場
 
仲野カモメ
葉桜の覚悟し雨を待ちにけり
葉桜や友巡礼に行くと言ふ
 
高津按庵
雪解水(ゆきげみづ)庄川みどりに染めにけり
 


山口勝行選評 
三角巾きりりと娘ちまき売る/小麦
今回はこの句を最優秀句としました。理由はこの句を特選とした按庵が述べていましたので、そちらに譲ります。わたくしも全くもって同感です。
 
藻六の「老いるとは引き算ばかり薄衣(うすごろも)」についてですが、(薄衣)を季語としている向きもあるようですが、わたくしとしては(単物=ひとえもの)を用いたい。薄く軽やかに織った、時としては非常に高価なものもある薄衣よりも、裏地のない質素な単物の方がこの句にはふさわしいと思います「老いるとは引き算ばかり単物(ひとえもの)」に。
 
三枝の「菖蒲湯や響きて子らの声外に」は言葉を入れ替え「菖蒲湯や外に響きて子らの声」。この方が、子供の声がより強調されます。
 
カモメの「葉桜や友巡礼に行くと言ふ」。この(巡礼)、これが(お遍路)となると真言宗。弘法大師(空海)に因んだものとなり、春の季語。句が夏の(葉桜)との季重なりとなります。仏教のみならず、キリスト教、イスラム教なども含めての聖地参拝を意味する巡礼であれば季語にはあたらず、季重なりにはなりません。(巡礼)というのは的確な言葉遣いです。
 
柑子の「孫たちと出かける妻や春日傘」は(や)を(の)とし、「孫たちと出かける妻の春日傘」に。楽しげな気持がそのままでているような妻の春日傘の動き。弾んだ様子が、目に浮かぶようです。
 
「春愁の思春期の子慰むる」、この沓九郎の句は(春愁の)を(春愁や)としました。(春愁の思春期)という表現に少しひっかかりを覚えました。「春愁や思春期の子慰むる」に。「思春期の子の春愁を慰むる」とするのもよいかもしれません。
 
兼題の『葉桜』ですが、この言葉と『花は葉に』を全く同じものとして扱っている句をしばしば見かけますが、わたくしとしては別のものと考えたい。「花は葉に」はまさに花が散りゆくその時ということで、晩春四月。それに対して「葉桜」は一片の花びらさえない青々とした状態で、夏五月。言葉の持つイメージ、それからにして違います。できるだけ安易な使用を避け、一つ一つの言葉の持つ本来の意味を考えることが大切です。
 


句会を終えてひと言
 
「新園児初の外出(そとで)や風五月」、この句を今の季節にぴったりと特選にしたら先生の句でした。やっぱりねぇという感じ。四月には緊張気味だった新園児も五月のさわやかな風に誘われて、うれしそうに外出。(初の外出)がいいと思いました。今日も直されましたが「菖蒲湯や外に響きて子らの声」が自信句。心身を清め、邪気をはらい、健康をと願う菖蒲湯、それにこたえるかのような子供たちのはしゃぐ声。強がりを言う訳ではありませんが、先生からの直しがある方がいろんな勉強になって、かえっていいと思う。(三枝)
 
貧乏性の自分。買物に行っても旅に出ても、まず目についた物を買ってしまう。その場で買わないと誰れかに買われてしまいそうな気がするから。ところがその後で、もっと良い物が出てくるパターンが多い。その時の後悔、買物を持つ手もより重く感じます。後の祭り。先生の「初っ端に買ひし筍持て余し」。筍みたいに重いのは最後に買えばいいんです。だけどそれができない。この気持、よく分かります。我が家の近くにも小学校があり、風に乗って子供の声もよく届く。その声、冬には途絶え、春に復活。そして五月の声を聞くといつもの活気が戻る。家からは見えないけど、きっとグランドを所狭しと走り回っているに違いない。自信句の「放課後のグランド狭き夏来る」です。この句、もっと点が入っていいはずなんだけど。(仁誠)
 
先月五箇山の合掌集落を歩きまわりました。今でこそ高速道路が通っているけど、昔は秘境。こきりこの里というのがあり、あ~ここがこきりこの唄の発祥地かと感慨深いものがありました。勘違いかもしれませんが、フォーククルセダーズの唄にもあったような…。旧村上家を訪ねたら、家の中から案内人のおじさんの唄声が聞こえてきました。小さく小さく風に乗って。小生の「こきりこの唄薫風にのりきこゆ」です。今日の特選選びは二句の間で迷いました。U太の「このところ暇だから薔薇の絵を描く」と小麦の「三角巾きりりと娘ちまき売る」。たまたまですが、暇な人と働く人という好対照。小生、けだるい春も嫌いではないが、初夏の実に健康的でさわやかな相も大好き。そんななかきりりと働く人間、その姿は美しい。三角巾の清潔感あふれる白、ピシッとした折り目も鮮やか。小麦の句に決めた理由がそれ。ところでU太の句、「薔薇」は夏の季語ですが、「薔薇の絵を描く」は夏の句といえるのか。一年中絵は描ける。するとこれは無季の句になるのか。う~ん、分っかりませ~ん。(按庵)
 
夕方、ややくたびれて紅茶を飲むことにした。そこで思いたちブランデーを少々。すると香りも色もつややかに。春の宵もつややかさを取り戻し、気分もパッと明るくなった。そんなところでしょうか。智昭の「春の宵紅茶に少しブランデー」を選びました。今日は五句中四句に点が入り、その内の二句は少し直されたが先生から。嬉しかった。「孫たちと出かける妻や春日傘」は(妻や)を(妻の)に、「ふつふつと沸くコーヒーや若草葉」は「ふつふつと沸くコーヒーや若葉寒(わかばさむ)」に。違いは帰ってよく吟味します。(柑子)
 
一筋の「春の畑地球の皮をひんめくる」に点を入れました。ひんめくるねぇ、アチキは畑仕事はやりませんが、やってみればきっとこういう感覚なんだろうなと思った。楽しそう。今日は「三角巾きりりと娘ちまき売る」にいろんな人から点が入り、先生からも今日の最優秀句に選ばれたが、アチキとしてのイチオシは「新緑に飛び込んでゆく天狗たち」の方。でもこの句、誰れも採ってくれんかったー。やれやれ。天狗は小天狗などわんぱく坊主や体の小さい若者を指していうこともあるが、この句の場合は本物の天狗のこと。山に棲んで飛んだりはねたりしている。それが今の季節、日々深まりゆく木々の新緑と赤ら顔のコントラストが実に鮮やか。いいと思うんだけどねぇ。得点は三角巾か、ならこっちをイチオシにすっか。いやいや、やっぱ天狗の句だー。今日は気持のいい日でした。みんなにも初夏のウキウキ感が感じられた。アチキ、個人的には寒いの大嫌い、暑いの大好きなんでありんす。(小麦)
 
「老医師のカルテは手書き春の風邪/智昭」に◎を打ったら仁誠が「この句はつきすぎ」「1+1は2の句だ」と異議。言っとることがよう分からんけど下5の(春の風邪)がいかんらしい。あちゃあイカン、駄句を選んじまったかぁと思ったら、先生が、「いえ、このままでいいんです。ただの(風邪)だと冬の季語ですが(春の風邪)はれっきとした春の季語。この程度なら診てもらうのが町の老医師でもいいだろう。春の風邪というちょっと間の抜けたイメージと老医師との組合わせもピッタリ。いい句です、わたくしも点を入れました」。そ、そらみろ! 仁誠くん、まだまだ洞察力が足らんなぁ。自信をもって提出したのが「葉桜の幹壁にしての壁ドン」。しめしめ、これでトップ間違いないと思ったら、0点。話題にもならず。この句、たまたま二、三日帰ってきていた奥さんがチラと見て、「毛虫が落ちてきそう」の寸評。イカン! そこまでの洞察力が欠けとったぁ。(藻六)
 
きゅうり、なす、トマト、ピーマン…、夏の野菜には勢いがあり、旨味も抜群。そんな野菜の到来を待つ人も多いと思うけど、この句の作者はよほどの漬け物好きらしい。こういう待ち方もあるんだなぁ。ほほえましさを感じ、一筋の「ぬか床を起こして夏の野菜待つ」が特選。地元の植田神社、寒い時はおっくうになる手水だけど、今時分は心地良い。そこで「葉桜や手水幾度も掛けにけり」の句にしました。境内の桜もすっかり散って、もうすぐ本格的な夏ですね。今日の句会は変な感じ。どこか奇をてらったような句が多かった気がする。何で? この季節、やっぱ少しはハメをはずしたくなるのかなぁ。(沓九郎)
 
素直に「いいね!」と感じた句、U太の「おぼろ夜を栞はさみて眠りけり」。読みかけの放り投げられた本に、朧月の決して強くない月光が窓から。なんともいえない情趣です。私も読書をしていると知らずに寝てしまう今日この頃であります。ただこの句に対してメンバーから、「栞をはさんで眠るのはあたり前、むしろ(栞はさまず)とか(栞忘れて)じゃないのか」という意見が出されました。言われてみればそうかも。そのあたり、一度作者に聞いてみたいものです。葉桜という兼題、学生時代によく歩いた四ツ谷駅からニューオータニに続く真田濠土手(真田濠=「四谷~ニューオータニ」のお濠)を思い出しました。行こう行こうと思ってもなかなか桜の盛りの頃は行けないもの、やっと行ってみたらもう葉桜とか。そんな思い出を込めての句「来てみれば母校の桜葉となりぬ」が自信句。今日は思いがけぬ一席、素直に「やったぁ!」です。(智昭)
 
 
伝言板
 
その①
藻六が突然、6月増刊号はアンタの番だと言ってきた。エッセイを書けと言ふ。こちらは了解した覚えもない。民主主義の世の中なんだから、事前に多数決で決めてほしい。もう増刊号はやめてくれ!(仁誠)
 
ごもっともでごじゃります。次の企画からは、多数決はともかく、みなさんと相談の上進めさせていただきます。ということで、今回は大目に見てくだされ。仁誠さん、柑子さん、6月増刊号、よろしくお願い致します。(事務局)
 
 
その②
平成27年 第66回熱田まつり献納俳句募集要項


1.作品内容
熱田神宮嘱目吟
(原則として熱田神宮を参拝して、目に映ったこと感じたことを詠む。遠方の方は例外として、近くの神社を参拝して、目に映ったこと感じたことを詠むこと。一般雑詠は選の対象外とする)
 
2.締切
6月8日(月)必着
尚、6月5日(金)熱田まつりの当日は、境内の受付所へご提出ください。
 
3.選者
小串和夫・金森直治・山口勝行(敬称略)
 
4.応募方法
1人3句以内(但し、神前披講にふさわしい句で、未発表のもの)とし、備え付け用紙又はハガキに楷書で明記してください。住所、氏名にはフリガナを附し、小・中学生の方は学校名、学年も記入してください。境内常設投句箱へ直接投句又は下記宛先へ郵送してください。
尚、献句については全て熱田神宮へ奉納致します。
 
5.宛先
〒456-8585 名古屋市熱田区神宮一丁目1番1号
熱田神宮宮庁内 献納俳句係
☎052-671-4154
 
6.表彰式
入選句は表彰式当日神前に披講し、賞状(神宮賞・奉賛会会長賞・奉賛会賞等)並びに賞品を贈呈します。
【日時】 6月21日(日)午後1時
【場所】 熱田神宮文化殿
【主催】 熱田神宮奉賛会文芸部
 


月刊花火句会 これからの刊行予定
 
 5月30日:2015年5月増刊号
  エッセイ・俳句のある風景
  その②高津按庵/上田三枝


 6月20日:2015年6月号
  『6月定例句会(6月13日)報告』
 


句会の予定
 
【日時】 2015年6月13日(土) 18:00~
【会場】 金山アカデミーセンター4F
【兼題】 『草取(くさとり)』を含む当季雑詠5句
 




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