月刊花火句会

花火句会は2004年夏、花火シーズンの真っ只中で発足しました。 集まったのは、当時40代から60代の10名余り、全員がそれまで俳句なんぞ作ったことがないというど素人ばかり、それでも俳人山口勝行氏の指導を得て、月1回の句会、年1~2回の吟行を行っております。 句会は、参加者が事前に用意した兼題1句を含む当季雑詠5句を提出、全員で選句します。 選句された句は、入点句として、次回の会報で発表されます。 会員による選句とは別に、山口勝行氏選の優秀句(1、2句)は、山口賞となります。 句会後には、自由参加で懇親会もあり、当日の会員の句を褒めたりけなしたり、まさに議論百出です。

2015年02月



 祝100号 



ブログ・月刊花火句会は今号で創刊100号を迎えました。
これもひとえに会員、投句者、(数少ないけど)読者の皆さんのおかげです。
今後ともご支援、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

2015年2月末日
月刊花火句会事務局




花火句会 自選三十句
 
 
第7回 岡田参茶と山田夏子の巻
 
 
 
 其の十三 岡田参茶


句会で笑者にはなるが快感ではないのだが、一度たりとも私の句で皆がうなったり感心したりはないのです。気分が向いたら参加し反省会で、0ポイントでもお酒を飲んでワイワイやるのがホント楽しいのです。こんなわたしでもよろしければこれからもよろしくお願い申し上げます。夢は句会のメンバーと一緒に京都へ大人の修学旅行いってみたいです。それまでには皆様のレベルまでセンス磨きたいと思っとります。

今回のレポートも過去の私の句をモロクさんが花火会のブログからひっぱり出して下さり、29句みつかりました。
1句即興でたします。


その句は、「自画自賛われ春の句にはひふへほ


デジカメで息を吸い込み春を撮る


酒を飲み友と語りて春がくる


たのしみは桜と友で酒を飲む


たのしみはひと汗かいた冷えた麦酒


たのしみはマツタケもらい友と酒


たのしみは家族五人で鍋つつく


たのしみは朝風呂あびておせち食う


うずたかき落葉片付け一服す


ため息がクライマックスドーム泣く


雪積もりポストの口が無口なり


おふくろのブリ大根よ季語またげ


初夢や三日もたてば忘れ酒


春うららテント村から笑い声


空見上げ三羽の鳥が春およぐ


毛糸帽チロリン村は花盛り


席のはし冬帽かぶり無口です


散歩道軽く会釈の毛糸帽


静々と屋根のつららが剣となる


草萌えて虫の寝床も模様変え


草萌える地べたに根はり復興す


花の下クシャミ連発はな吹雪


長雨で愛犬ポチが家にいる


柿熟しお地蔵さんのよだれかけ


ナメクジに砂糖ふりかけおかしかな


甚平に袖を通して粋場なし


ころもがえアホはアホなりステップす


おはようと言う息白くございます


おでんの具何が好きかと聞かれても


おでん汁ご飯にかけて〆とする


自画自賛春の句に我はひふへほ





 其の十四 山田夏子


<自選30句>


病気療養中につき永らく句会を欠席している私ですが、花火句会のブログは毎回楽しく拝見させて頂いております。

そんなあるうららかな午後の日(?)、突然私のケータイに藻六さんから悪魔のささやきが
「今月中に自選30句と感想文を事務局に送れ!」。
えぇっ? 私は現在療養中の身につきてっきり免除して頂けると思っていたのにぃぃぃ

慌てて数少ない過去の作品の中から無理やり選んだ30句がこちら。
 

1.まどろみて チャイム気付かぬ 春の午後


2.交差点 前髪直す 薄暑かな


3.夏服の  襟ひるがえし  笑顔ゆく


4.夕映えに  走る電車の  影延びる


5.雨あがり  風ゆるやかに  ホタル狩り


6.隣家より ゴーヤ顔出す 青簾


7.公園に 子の姿無き 夏休み


8.日傘さす 後ろ姿に 胸さわぎ


9.新学期  寝ぼけ眼の  日焼け顔


10.夕暮れに 紫陽花の碧 溶け込みし


11.後れ毛や 首に張り付く 残暑かな


12.青蜜柑  籠いっぱいの  お裾分け


13.秋空に   鉄砲の音   吸いこまれ


14.干柿の 暖簾つらなる 田舎道


15.山紅葉   肩ぶつかりて  渡月橋


16.朝まだき  山茶花寺に  人気なく


17.鰯雲 明日はどこへ 行くんだろう


18.新涼や 友の退院 見送りぬ


19.自販機の 缶コーヒーも 冬支度


20.秋時雨  にわか賑わう 足湯かな


21.スマホ見る  頭上ひろがる  鱗雲


22.春陰や 日差しホームの 向こう側


23.雪渓に ゴンドラの赤 吸い込まれ


24.イルミ街 足早に過ぐ 冬の月


25.母の出す 喪中はがきの 寒椿


26.夜更けまで はしゃぐ子の声 大晦日


27.水仙花 人それぞれに 思いあり


28.人のはけ 午後の参道 日脚伸ぶ


29.虫干しや 午後の図書館 早仕舞い


30.豆撒きや 鬼相手にも サバをよみ

 
初めて先生に特選に選んで頂いた句、みなさんの票を多く頂いた句そして一票も入らなかったけれど自分ではお気に入りの句などなど。
入会から3年が経っても本当に未熟で恥ずかしい作品ばかりですが、自分なりに楽しみながら句を詠み、その中で少しずつでも成長していけたらいいかなと思っています
そして今回大病を患ったことで大きく変わった人生観が、今後の作品作りにどのような変化をもたらすのかも秘かな楽しみであります。

 



月刊花火句会 これからの刊行予定
 
 ★3月15日:2015年3月号
   『3月定例句会(3月7日)報告』
 
 ★3月30日:2015年3月増刊号
   『自選三十句第8回 尾関太々と兼松みさちーたの巻』

 
句会の予定
 
【日時】 2015年3月7日(土) 18:00~
【会場】 金山アカデミーセンター4F
【兼題】 『木(こ)の芽』を含む当季雑詠5句 

※ともに春の季語、漢字で書くと同じですが『木(こ)の芽』は春に芽吹く木々の芽の総称。『木(き)の芽』は山椒(さんしょ)の芽のことです。ご注意ください。

 
◆投句料は不要、投句される方は、メールにてお願いいたします。
◆作者名は本名でも俳号でもかまいません。
◆投句数は5句以内でお願いいたします。
◆締切りは3月5日(木)とさせていただきます。
◆投句いただいた作品の内、句会での入点句は、
  次回のブログにて発表させていただきます。
◆受付メールアドレス:haikuhanabikukai-aichi@yahoo.co.jp 




【日  時】 2015年2月7日(土)
【会  場】 金山アカデミーセンター4F
【出席者】 勝行先生、按庵、小麦、一筋、仁誠、みさちーた、藻六、柑子、沓九郎、三枝(以上10名)
【投句者】 カモメ、U太
【兼  題】 『海苔(のり)』を含む当季雑詠5句
 
二次会の会場をどこにするか、これが実に難問、俳句づくり以上に悩ましい。旨くて安い、これが大前提だけど、その他にも(帰りの時間もあるので)飲み物や料理がさっと出てくる、(懇談が主目的なので)会話しやすい環境、これが大切。しかしこんな店、そうはない。さらに難しいのが支払い。大食いの人、少食の人、飲む人も飲まない人もいるので、単純に人数で割り勘というのはやっぱ不公平。かといって、注文も支払も全部別々というのも大変。それに一つの皿から分け合って食べるというの、これ、同じ釜の飯を食う感じで、決して悪くない。う~ん、悩みますねぇ。お店探しの方はこれからも続けるとして、そこで以下の提案でごじゃります。
①これからはお店での注文、何を何人前注文するかは、誰れかがまとめ一括して行うものとする。各人は、食べたいものを、店員さんにではなく、その人に伝える。
②提供された料理は全員が分け合って食べる。
③アルコール(日本酒、ビール、焼酎etc.)を注文する人は、お代わり一回、一人二杯までとする。
④支払いは、まず飲んだ人が一人1000円を出し、合計からその金額(4人なら4000円)を差し引き、残りを割り勘とする。
これでどうでせうか。これなら支払い問題はクリア。二杯以上アルコールを飲んだ人はその分(四杯だったら二杯分)を1000円に上乗せして支払う。
いいなぁ、この案。賛成者が多かったら、「花火句会二次会条例」として正式に施行したい。ご検討、よろしくお願い申し上げます。これ考えるのに半日かかった。ヒマ人? そうともいいます。
 
で、句会ですよね。何といっても花火句会はれっきとした俳句の会ですから。二月句会ですが、特記すべきは みさちーたが最優秀句に選ばれたこと
これ本人初
 
トップは? う~ん、誰れだったかなぁ。トップは誰れだとか、何点入ったとか、そんなことは枝葉末節。めざすはいい句を作りたいのただ一点。花火句会はあくまでも王道を行きます。点数なんてものはただの成り行き、その場の雰囲気、付和雷同、何の実体もない霞みたいなもの。そんなんに一喜一憂してもはじまらないんであります。
 
今回面白いと思ったのは著名な作曲家を季節にたとえたらという話。ベートーヴェンは冬、シューベルトは春、ショパンは秋。按庵に言わせると、ブラームスには諦観の相があり、秋か冬だそうです。成程、上手いこと言うもんだなと思った。これにならえばゴッホは夏、ピカソは春でしょうか。この発想には感心いたしました。
 
もう一つ。音楽ではクラシックからヒップホップまで、様々なジャンルや傾向がありますが、俳句にしてもいろいろあっていいはず。その意味で「春の宵飲み干すラテのハートかな/仁誠」「朝晩がつらいのと言う猫の妻/一筋」「松を見て子供はマツコデラックス/按庵」「如月やダンボール箱なかは空/U太」などに新傾向というか、今までにない斬新さ、面白さを感じました。これが今後どう展開していくのか、興味深く見守りたい。
 
でトップは? くどいですねぇ。言いたかないけど先月につづき仁誠であります。句会後「今年あと5勝はしたい」と、憎たらしくもほざいておりました。許せん! そうさせてたまるか。みなさん、来月は開幕三連勝阻止、打倒仁誠で団結しませう。沓九郎風に言えば、仁誠に点を入れる奴は、罰金だぁ!

 
 
一席 

ミス志摩の潜りて海女の顔となる/仁誠
 


二席 

破れ傘突き刺してみる春の土/藻六
 

三席 

海苔舟の点々とあり夜の明くる/沓九郎
 

 
今月の入点句は特選句)
 
山口勝行
鬼やらふ声を憚り街住まひ
潜みゐし野火突風に起き上がり
潮の引き切るを待てずに海苔掻女
初音聞き抜き足となる山路かな
老いてなお赤きマフラーして小粋
 
河村仁誠
ミス志摩の潜りて海女の顔となる
広辞林抜きたる棚の余寒かな
指の海苔舐めてむすびの昼餉かな
春の宵飲み干すラテのハートかな
 
原藻六
破れ傘突き刺してみる春の土
春浅し櫂なきままの貸しボート
春立つや道の開いたる孤立村
寒鯉のひと揺らぎして二月かな
海苔炙る遠火弱火に潮(うしお)の香
 
深井沓九郎
海苔舟の点々とあり夜の明くる
三月ぶり母と散歩や春隣
寒明けてゴルフ談議の昼餉かな
餅屋から眺むる宮川春浅し
 
兼松みさちーた
ヒーローを気どり豆打つ園児かな
福豆の跳ねる音(ね)高く乾きけり
 
御酒一筋
玉ねぎの苗すくと立ち春となり
立春や鎧兜を脱ぎすてむ
おにぎりをまあるく包む海苔四角
 
高津按庵
シューベルト優しく響き春を待つ
山の寺節分草のお出迎え
松を見て子供はマツコデラックス
 
中谷U太
如月やダンボール箱なかは空
初雪や午後から母に会ふ予定
 
加藤小麦
狼の眼を持つ人の訃報聞く
新海苔の四角に海を切り取りて
柔らかき猫の肉球日脚伸ぶ
 
上田三枝
公園に春一番と園児達
節分の鬼張り切って子ら泣かす
 
本田柑子
冬の夜や首には妻の贈り物
 
仲野カモメ
客人に自慢の酒肴手漉き海苔
 

 
山口勝行選評

今回の最優秀句としたのは

ヒーローを気どり豆打つ園児かな/みさちーた

ほほえましい情景がさっと浮かび、和やかで暖かな気持になります。子供たちにはいろんなヒーローが存在していると思われますが、さて誰だろう、そんな想像もさせてくれます。親の世代とは全然違うキャラクターなんでしょうね。難点は一つ。(豆打つ)は(豆引く)と同じく豆類の収穫期の季語で秋です。節分の豆撒きの季語は追儺(ついな)、鬼やらひ、豆打、鬼豆打などです。よって「ヒーローを気どり豆撒く園児かな」と添削しました。歳時記での確認を怠らないようにしてください。
 
兼題の「海苔」。新海苔といえば冬、ただ海苔といえば春の季語です。香りも光沢もよいので本来は春のものですが、暮の贈答品として冬にも作られるからです。「海苔舟の点々とあり夜の明くる/沓九郎」の句、海苔舟は養殖なので日が昇ってからでもいいのではないかとの声がありましたが、収穫のあといろいろ加工するので、夜明けとともに作業するのが一般的です。
 
カモメの「客人に自慢の酒肴手漉き海苔」、(客人)を(客)として(まろうど)とルビを振りました。「客(まろうど)に自慢の酒肴手漉き海苔」。(客人)に固さを感じたのと、語感にこだわってみました。口の中で反芻してみてください。
 
「寒鯉のひと揺らぎして二月かな」の藻六の句。冬の間水底で動かなかった鯉が、二月の声を聞き揺らぐの意ですが、寒鯉といえども揺らぐくらいはするものです。全く動かないということではありません。より推敲が必要です。冬の(寒鯉)と早春の(二月)、季重なりです。
 
三枝の「公園に春一番と園児達」、(公園)(春一番)(園児)と情景を詠む言葉が並んでいますが、「園児等に春一番の吹き来たる」として、あえて(公園)を省きました。この方が躍動感が生まれます。
 
仁誠の「ミス志摩の潜りて海女の顔となる」。(海女)は春の季語とするところもあるようですが、わたくしとしては夏としたい。少なくとも、今現在2月初旬、早春のイメージには合わないと思うのですが。
 
偶然ですが作曲家の名が二つ。「シューベルト優しく響き春を待つ/按庵」「海苔巻の似合はぬひとやブラームス」。シューベルトと春はイメージできますが、海苔巻とブラームスとなると(?)です。俳句は別に読者全員が理解する必要はありませんが、逆にほとんどの人が首をひねるとなると…。理解してもらうというのも、技倆のひとつです。
 
一筋の「朝晩がつらいのと言う猫の妻」。(猫の妻)に首を傾げた人が多かったようですが(猫の恋)(恋猫)(猫交る)と同じ春の季語です。一晩中鳴き通しなんて…という意。素直に(猫の恋)とした方が良かったかもしれません。
 
按庵の「山の寺節分草のお出迎え」は「山寺の節分草に迎へられ」と、(節分草)の主語から人間である自分へ。擬人法を否定する訳ではありませんが、俳句の基本はあくまでもアイアムとしたい。この自分が節分草に迎えられたと詠むことによって、(嬉しかった)(感動した)という情感を言外に匂わせます。
 

 
句会を終えてひと言

如月(二月)というのは「生更き」の意味で、草や木が更生するところからきてるんであります。どや、それがしの博識ぶり。え、まだまだ寒く、着物をさらに重ねるから来てるという説もあるってかぁ。あちゃあ、知らなんだぁ。ともかくだ、U太の「如月やダンボール箱なかは空」が特選なんじゃ。草木の更生する時期、ああそれなのに、それなのに。U太んちの箱の中はからっぽなのね。それは一筋んちの米櫃だろってかぁ。じゃかまし~い! 段ボールに米入れるかっ。”かばかりのことに生くるや かばかりのことに死ぬるや よせよせ問答”という歌もございますな。まだまだ寒い時期ですが、ここらで鎧兜は脱ぎ捨て、講和とまいりましょう、ね、皆の衆。それがしの自信句「立春や鎧兜を脱ぎすてむ」でござんす。(一筋)
 
農作業をしている人は野菜や果物の状態で季節を感じるんですね。特にこの時期は苗の育ち方、植えた玉ねぎの苗が立ってくればいよいよ春。一筋の「玉ねぎの苗すくと立ち春となり」を特選に選びました。わたしの「節分や静かに更ける隣組」。子供のいる家庭ではさぞかし賑やかだと思うのですが、老人ばかりの隣組では節分といえども静かなもの。夜はひっそりと更けていくのです。(柑子)
 
海苔って兼題として難しい。年中食卓にあって、あまり季節を感じないからなぁ。みなさんも苦労した様子でした。点を入れたのは先生の「鬼やらふ声を憚(はばか)り街住まひ」。本当は大声で「鬼はそと~!」とやりたいんだけど、都会暮らしの寂しさ、気を使って小声になる。それでも季節の行事はやらねばという律義さがほほえましい。20年ぶりくらいにジーパンを買いました。ユニクロで3980円。まずは洗って干したら、春一番かと思わせる風がビューッと。そこで「春一番竿のジーンズ通り抜り」。しかしこの句、竿のジーンズでは何のことか分からなかったかも。ちょい、反省だぁ。(沓九郎)
 
イスラム国やら名大生による殺人事件やら、世の中いやな事ばっかり。最近ではTVのニュース、新聞など、あちきは詳しく見ないようにしておりやす。そんな中、句会っちゅうのは個人的な心情を詠ったものを持ち寄る会なんで、ホッとしますなぁ。仁誠の「ミス志摩の潜りて海女の顔となる」、これ実話らしい。アイドル的な表情で美しく微笑むミス志摩、しかしこの人、いったん海に潜って真珠を取るとなると一変、プロの海女さんの顔になる。本業に打ち込んでいる真剣さに人はうたれますよね。この女性のステキさが伝わってきました。あちきの今回の名句は「海苔光る日本の海を閉じこめて」。日本の食文化でもある海苔、あの黒光りする一帖に海の香りや波の音を凝縮させている様をうたったのに誰れもとらない。こんな名句に、なぜ? なぜ? なぜ? 世の中、分からんことが多すぎ。最近ボケかけてる某が指を折って「に・っ・ぽ・ん・の・う・み・を・と・じ・こ・め・て…何だ、字余りじゃないか」アホ! に・ほ・ん・の・う・みと読むんじゃ! つきあいきれんわ。(小麦)
 
自信などありません。どなたかに添削をお願いしたいのが、小生の「シューベルト優しく響き春を待つ」。晴天ではあったけど立春だというのに風は冷たく底冷えした。そんな時カーラジオからシューベルト最晩年の弦楽五重奏ハ長調が。泣けるような歌心に満ちた第1楽章第2主題。この時の思いを句にしてみたかった訳です。沓九郎の「海苔舟の点々とあり夜の明くる」。冬の海の、実に美しい情景が浮かびました。夜明けによってモノトーンの風景が少しずつ色付く、想像するだけで心躍りますな。(按庵)
 
ボケてきた。清記用紙と選句用紙を間違えて記入した。「何年句づくりしとるんだぁ」の叱責の声。ハイ、10年です。勘がにぶってきた。いちばん点を入れてはいかん奴に、持点6点のうち3点を入れちまった。ああいかん、この調子では次回の句会では、全部自分の句に入れるような気がする。年のせいですんで、どうぞお許しください。グフフ、そしたらミイがトップだぁ。(藻六)
 
句会、勉強中なので選んでもらえないのは仕方ありませんが、やっぱり点が入らないと悲しい。今日は選んでもらえたのでよかった。小さな男の子達はヒーローが大好き。この時ばかりはヒーローになりきったつもりで豆を撒いている様子が目に浮かんだ。みさちーたの「ヒーローを気どり豆打つ園児かな」が特選。張り切って鬼役をしたのはいいんですが、頑張りすぎて子供達を泣かせてしまった。豆まきは楽しくなけりゃ駄目ですよね。今日出した「節分の鬼張り切って子ら泣かす」、反省の気持も入っています。(三枝)
 
春の遠足は大抵昼飯はおむすびだった。そこには最初から海苔が巻いてあって、食べる頃には湿って手に貼りついたものです。仕上げに指についた海苔を舐めるのがごちそうさまの代りだった。旨かった。最近のコンビニで売ってるおにぎりを旨いと思ったことはない。「指の海苔舐めてむすびの昼餉かな」です。特選にしたのは藻六の「破れ傘突き刺してみる春の土」。この句は、春の日に田に遊びに出る途中、少年がそこらに捨ててあった破れ傘を拾って何の目的もなく地面に突き刺している、そんな風景。春になった喜びの表し方の一つ。この句が少年時代の自分に戻してくれた気がしました。最近思うのは、他人の句は割りと分かるが自分の句はよく分からないということ。その意味で、人からの意見は大事にしたい。(仁誠)
 
句が浮かばない時は絵や写真を見るといいと読み、ネットでキーワード検索。なるほど、おかげで何句ができました。でも見た目や状況だけでなく裏にひそむ味わい深い「心情」も句にしたい。はたしてそこまで行きつくのはいつの日か。仁誠の「広辞林抜きたる棚の余寒かな」。幅があって暗くて深くて冷たそうな空間。まだ残る寒さを感じさせ、ぶるぶるっです。あたくしの愛のたっぷりつまった一句、「開けたての海苔はあなたのおにぎりに」。私はいいの、こっちの古い湿った海苔で。あなたには今開封したパリパリのこっちで。でも気がついて下さらなかったみたい。(みさちーた)
 


伝言板   

 
その①  ドクキゼオス キューバ音楽ライブ 

2月26日(木) シガークラブ加納(伏見)

20:00 start
おひねり制

 
その②  第8旅団 結成35周年記念ライブ 

3月1日(日) TOKUZO(今池)

17:00 open    18:00 start
前売 2,800円  当日3,000円
 

 
月刊花火句会 これからの刊行予定
 
 2月28日:2015年2月増刊号
   『花火句会 自選三十句』第7回:岡田参茶と山田夏子の巻
 
 3月15日:2015年3月号
  『3月定例句会(3月7日)報告』
 

 
句会の予定
 
【日時】 2015年3月7日(土) 18:00~
【会場】 金山アカデミーセンター4F
【兼題】 『木(こ)の芽』を含む当季雑詠5句

※ともに春の季語、漢字で書くと同じですが『木(こ)の芽』は春に芽吹く木々の芽の総称。『木(き)の芽』は山椒(さんしょ)の芽のことです。ご注意ください。



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