月刊花火句会

花火句会は2004年夏、花火シーズンの真っ只中で発足しました。 集まったのは、当時40代から60代の10名余り、全員がそれまで俳句なんぞ作ったことがないというど素人ばかり、それでも俳人山口勝行氏の指導を得て、月1回の句会、年1~2回の吟行を行っております。 句会は、参加者が事前に用意した兼題1句を含む当季雑詠5句を提出、全員で選句します。 選句された句は、入点句として、次回の会報で発表されます。 会員による選句とは別に、山口勝行氏選の優秀句(1、2句)は、山口賞となります。 句会後には、自由参加で懇親会もあり、当日の会員の句を褒めたりけなしたり、まさに議論百出です。

2013年02月

 
HANABIリレーインタビュー その⑬
 
 
 沓九郎対談 夏子と三枝の巻 
 
 
立春を過ぎたとはいえ、めちゃ寒い日、中区丸の内のレストラン「シエスタ」にて昼食をともにしながらのお話です。
 
 
「まずは俳句をはじめたきっかけは?」
 
夏・三「何を言ってるんですか~。沓九郎さんに強引に誘われたからじゃないですか」
 
「確かに。愚問でした。じゃあ始めて一年、今の気持は?」
 
「難しいけど、少しおもしろいかな。季節や自然に前よりは敏感になったかもしれない。俳句になるかなと思ったりして」
 
「それってすごい得してると思うよ、マジで。これまで見過ごしてきたことに気づくということは」
 
「私は、先生に季重なりなどで注意されることばかりで恥ずかしい時もあるけどとりあえず頑張ります」
 
「ここだけの話、三枝さんに教えるときの先生は嬉しそうだよね。では、今後の抱負を」
 
「家族の節目などに俳句を作って記念に残していければいいなあと思います」
 
「いいこと言うね
 
「私は俳句をきっかけにして、植物や動物、日本の行事など少しづつ勉強しようかな」
 
「クー。参った。あんたは偉い
 
以降、話しは句会メンバーのことに。酒が好きだとか、競馬狂だとか、声がでかすぎだとか、突然わけのわからぬ俳号を言い出したとか、年齢不詳だとか、何を言ってるかわからんとか、どう見てもイラン人だとか。しかし、皆愛すべき人達だねという結論に。これからもよろしく。
(沓九郎)
 
 
※花火句会リレーインタビューは2013年2月増刊号で終了いたします。
 
3月増刊号からは、新企画、
「時空を超えた俳人への手紙」がスタートします。

 
 
 次回は『小麦/俳人だった父への手紙』です。
 
 
次回の予定
 
【日 時】 2013年3月9日(土) 18:00~
【会 場】 こどもNPOピンポンハウス
【兼 題】 『山笑ふ』を含む当季雑詠5句
 
 飛込み参加大歓迎!! 
 
◆参加ご希望の方は、兼題1句を含む当季雑詠5句をご用意ください。
◆事前のご連絡は不要です、当日会場に直接お越しください。
◆参加料は1000円です。
 
 
投句の受付
 
◆投句料は不要、投句される方は、メールにてお願いいたします。
◆作者名は本名でも俳号でもかまいません。
◆投句数は5句以内でお願いいたします。
◆締切りは3月7日(木)とさせていただきます。
◆投句いただいた作品の内、句会での入点句は、次回のブログにて発表させて
  いただきます。
◆受付メールアドレス:haikuhanabikukai-aichi@yahoo.co.jp
 

【日  時】 2013年2月2日(土)
【会  場】 こどもNPOピンポンハウス
【出席者】 勝行先生、小麦、按庵、柑子、沓九郎、カモメ、増田、藻六(以上8名)
【投句者】 仁誠、U太(以上2名)
【兼  題】 『』を含む当季雑詠5句
 
特報その①
カモメが帰ってまいりました。昨年の4月句会以来なんで、実に10ヵ月ぶり。カモメというのはシベリア、カナダなどで夏に繁殖、冬日本の海岸に飛来するのですが、こちらのカモメは別に出産とか育児をしていた訳ではありません。(オスなんで出産はないけど)。この間自身を襲った病魔や身辺での複数の不幸に、句を作る心境にはなれなかったとのこと。それがいかなる変化か? ヒゲが伸びスリムになった一見修験者の風貌からして、ある種の悟りに至ったか? はたまた新たなる俳句観を獲得したのか? そこらあたりは追い追い語っていただくとして、まずは、歓迎! トンネルを抜けた新生カモメに注目です。
 
特報その②
こういうのを春の珍事というのでしょうか。勝行先生選ぶ今月の最優秀句に、ナ、ナント! あ、按庵! この人、詩ごころは十分なのに表現力がなぁと一部で言われていたのですが(誰れ? そんな失礼なこと口にする奴は)、それを見事に打ち破りました。おみそれしました。ただ句会に入ってのウン年間にトップ賞はただ1回だけという、実績が実績なだけに、これが今回こっきりの珍事で終わるのか、それとも…。控える競馬を覚えた逃げ馬は恐い、味を占めた泥棒は又やるとも言います。これからの按庵に注目です。
 
一席 
縁側に猫不在なり春隣/小麦
 
二席 
輪飾りの出船入船擦れ違ふ/藻六
 
三席 
白梅の一枝のみのインテリア/沓九郎
レジの上猫の伸びする種物屋/仁誠
 
 
今月の入点句
 
3点句
鬼役の保母に豆撒く子等嬉々と/勝行
数輪に梅見のこころ足りにけり/勝行
万蕾の梅に浜辺の風荒き/勝行
静かなる雪の棚田は光りをり/按庵
小春日やイヤホンで聴くラブソング/沓九郎
頬杖をつく冬帽子脱がぬまま/U太
 
2点句
星々に磨きをかけて寒旱(かんひでり)/小麦
大寒やホットケーキを注文す/小麦
畦道の葬列せかす雪催(ゆきもよひ)/藻六
先駆けのただ一輪の花便り/藻六
分譲地読点のごと紅白梅/カモメ
月冴えり路地に靴音遠ざかる/柑子
木曽長良分かつ堤や梅の路/仁誠
すっぴんの肌にまぶしく冬景色/按庵
 
1点句
探梅の下見すませしツアーバス/仁誠
軽装に登りし山の冴え返える/仁誠
名所てふ梅林紅し古地図かな/仁誠
手つかずの雪残りたる中洲かな/藻六
雪国の雪こじあけて冬木の芽/藻六
たそがれや寝ぐらへ急ぐ寒雀/柑子
春雪に慌てふためき都会人/沓九郎
息づけるあかし大地の凍ゆるむ/勝行
節分会襟立て向かふ善男子/カモメ
日向ぼこ皆無口でも満たされて/小麦
かけ足をさらに早めて二月尽/増田
 
 
山口勝行評
静かなる雪の棚田は光りをり/按庵
最優秀句としたこの作品、スケールの大きさと格調の高さを感じました。静かではあるが光っている、光ってはいるが静かである、この動と静のとらえ方も見事です。雪の棚田が、まるで仏身でもあるかのような、神々しさも読みとれます。(雪の棚田は)を(雪の棚田の)と添削しましたが、とても良い句だと思いました。同じ作者の「すっぴんの肌にまぶしく雪景色」は(まぶしく)を(まぶしき)に。
 
沓九郎の「白梅の一枝のみのインテリア」、情景はよく分かりますが(一枝のみの)を(一枝で足りし)に。一輪挿しは日常よく目にするもの。そこからさらに、たった一枝で空間を充たす、梅の不可思議な魅力に踏み込んではどうでしょう。
 
「先駆けのただ一輪の花便り/藻六」は(花便り)を(梅便り)に。平安時代以降「花」といえば桜が一般的です。
 
柑子の「たそがれや寝ぐらへ急ぐ寒雀」は(たそがれや)を(たそがれて)に。同じく「月冴えり路地に靴音遠ざかる」は(月冴えり)を(月冴える)に。その方が繋がりが良くなり、句が滑らかになります。
 
復帰したカモメの「紅白の梅の佇み心機変ゆ」。心境の変化を詠んだものと思われますが「紅白の梅に佇み静ごころ」と、思い切って大幅に添削しました。梅に眺め入ってる内にいつしか落ち着いた心持になった、そう解釈したのですが。
 
点は入らなかったようですが、増田の「梅一輪咲くというより独り居る」。沓九郎の句のように、梅の独特な存在感を詠んだものと思われますが、こちらは禅問答のようで分かりづらい。より推敲が必要です。
 
 
句会を終えてひと言
 
昨年の中頃より個人的な理由で句会を失礼しておりました。今回復帰し、皆様に喜んでいただきうれしい限りです。また励みたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。今日の句の中で好きなのは、「かけ足をさらに早めて二月尽/増田」「星々に磨きをかけて寒旱/小麦」の2句。ちっぽけな人間を超えた、季節の移ろい、広大無辺の時宇宙にひかれました。特選にしたのは藻六の「畦道の葬列せかす雪催」。好き嫌いはともかく、とてもいいと思いました。土葬が行われていた時代の、いわば日本の原風景が浮かびます。(カモメ)
 
私は1月27日、雪模様と思われる越前岬の水仙ウォークに参加し、ここで今回の句会用の5句を創ろうとした。バスの車窓から見る敦賀半島は荒涼とした、ある意味厳しい美しさを備えていた。だがここには原発がある…。初めて見る冬の日本海は灰色だったりエメラルドグリーンだったり、色彩が幾重にもなり、寒さを忘れて見とれた。水仙こそ咲いていなかったが、雪の残る陸の風景も美しかった。梨子ヶ平という所で千枚田を見下ろした時に「越前の雪の棚田は静かなり」と詠み、これを推敲して「静かなる雪の棚田は光りをり」とした。これが勝行先生によって今月の最優秀句となり、大変嬉しかった。(光りをり)が良いとのこと。句会後の雑談でカモメが(静かなる)が説明的でよくないと、心無い批判をしてきたが、馬耳東風を決め込んだ。
もう一つ。その時まだ花の咲いていない水仙二輪を福引でもらったので、家の流し台でガラスコップに無造作に入れておいたら、翌日開花した。その感動を「福引の水仙二輪台所」と詠んだが、どうも冴えない。それで句会に出さなかったのだが、先生にどういう風にしたらいいか訊ねたら、即座に「水仙の一輪で足る厨(くりや)かな」と添削していただいた。すごい! 昨日はとても「勉強になる句会」だった。
(追伸)この原稿、当日出すのを酔っぱらって忘れ、翌日書いた。それで私が誰れのどんな句を特選にしたのか忘れてしまいました。全く記憶にありません!
(追伸の追伸)この文章は改ざんしないよう、事務局にお願いします。わっしゃなどという、下品な言葉は一切使っておりません、念の為。(按庵)
 
事務局では改ざんしていませんので、もしそうなら誰れかによって改ざんされた原稿が届いているものと思われます。按庵が選んだ特選は、U太の「頬杖をつく冬帽子脱がぬまま」でした。(事務局)
 
俳号変更の件は熟慮中です。何かいい名前ないですか。今回はさっぱり句作に集中できなくて困った。どうも先月増刊号で按庵のインタビューを受けて以来、調子が乱れております。何故かは分かりませんが。自信作ができたのが句会開始の二時間前。その句「月冴えり路地に靴音遠ざかる」、勝行先生と按庵に点を入れてもらい、よかった。勝行先生の「数輪に梅見のこころ足りにけり」を特選句に選びました。桜は何といっても満開がいいけど、梅は少しでもいいものです。何故かそう思います。(柑子)
 
ちょっと飲み過ぎ、原稿を出すのを忘れてしまいました。すみませんでした。よって一日遅れで、句会の感想をFAXします。
今月の句会は按庵からの1点だけで、その他は無得点。勝行先生の教え、「無点の句会こそが勉強になります」の言葉が身に染みます。昨年末に少々点を頂けた句を作って得意になっていたこの私に、「俳句の神様」が高い処から戒めのお仕置。今更ながら仰ぎ見る「頂」の高さを思い知らされました。(いつものように、かなり大げさですが…)。昨日の句会、勝行先生はもちろん、沓九郎先生をはじめ皆さんの句から「積み上げた実力」が強く感じられ、とても勉強になりました。今年も頑張ります、よろしく。(増田)
 
※増田からのFAXには、自信作、自分が選んだ句についての言及はありませんでした。困ったものです。(事務局)
 
増田が出席すると、いつもあちきの句をたくさんとってくれるので、安心。今日も持ち点6点の内4点をあちきに。感謝、感謝。おかげ様で先月につづき2連勝! やれ談合してるんじゃないかとか、組織票だなどという心ない中傷もあるようですが、そんなのへっちゃら、屁の河童。増田さん、今後もよろしくね。仁誠の「レジの上猫の伸びする種物屋」に点を入れた。あちきの猫の句と違って、春ののんびりムード。これはこれでいいと思った。自信作は「星々に磨きをかけて寒旱」、われながら着眼点が素晴らしい。今日はカモメが復帰して大変うれしい句会だった。句も、冬と春が混ざり合って、とてもバラエティに富み、読んでいても楽しかった。今年は絶好調、来月は3連勝だーっ。(小麦)
 
2月が一番季節を感じる月かもしれません。いよいよ来る春が待たれる、そんなワクワク感が句を通して伝わってきました。たまたま暖かった日、天白川の堤を散歩しました。その時の句「小春日やイヤホンで聴くラブソング」、藻六が特選にとってくれた。私が点を入れたのは「鬼役の保母に豆撒く子等嬉々と/勝行」。ほほえましい情景が目に見えるようです。(沓九郎)
 
今日の主役は復帰したカモメと最優秀句の按庵。按庵の「ほら、この前わっしゃがあんさんを慰めにいったろが」。対してカモメが「あれ? あれは、あんたが、慰められに来たんだろが」。このトンチンカンなやり取り、笑えやした。提出した5句全部に点が入ったけど、結果は1点差の2位。アベレージヒッターではあかんということですな、ホームラン打たんと。週3日地下鉄に乗ってるけど、スマホ(?)やらケータイやらイヤホンばっか。野次馬なので、何見てるんだろ、何聴いてるだろうと気になって仕方ない。意外にいい年こいたオッサンがAKB48や大甘のラブソング聴いてたりして…。そこに「小春日やイヤホンで聴くラブソング」。思わず点を入れてしまいやした。これ沓九郎の句? やっぱオッサンやないかい、ラブソングは似合わん。(藻六)
 
(電話で)えっ、同着の3位! そんな! トップじゃないのぉ、おかしいなぁ。ちゃんと選句したんですか。で、ナニ、トップは小麦? 連勝? 納得できないけど、ま、次回はこの仁誠が出席するんで、3連勝はありません。(今回投句の仁誠)
 
 
次回の予定
 
【日 時】 2013年3月9日(土) 18:00~
【会 場】 こどもNPOピンポンハウス
【兼 題】 『山笑ふ』を含む当季雑詠5句
 
 飛込み参加大歓迎!! 
◆参加ご希望の方は、兼題1句を含む当季雑詠5句をご用意ください。
◆事前のご連絡は不要です、当日会場に直接お越しください。
◆参加料は1000円です。
 
 
投句の受付
 
◆投句料は不要、投句される方は、メールにてお願いいたします。
◆作者名は本名でも俳号でもかまいません。
◆投句数は5句以内でお願いいたします。
◆締切りは3月7日(木)とさせていただきます。
◆投句いただいた作品の内、句会での入点句は、次回のブログにて発表させて
  いただきます。
◆受付メールアドレス:haikuhanabikukai-aichi@yahoo.co.jp

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