2022題字

「最強の天才棋士、藤井聡太五冠」

11月20日、千葉市の幕張メッセで開催された「JTプロ公式戦」(将棋のトップ棋士が公開対局)の決勝で、藤井聡太五冠が斎藤慎太郎八段に勝ち、同棋戦最年少の二十歳四カ月で初優勝しました。

藤井五冠は小学三年の頃、プロ公式戦と併せて行われる「こども大会」で優勝したことがあり、両大会で優勝した棋士は初めてとのことです。

2002年7月19日、愛知県瀬戸市に生まれ、5歳の時に祖父母の勧めで将棋を始めたそうです。

7月19日が20歳の誕生日、記録ずくめの20年間でした。

8大タイトル中五冠

『竜王』2021年獲得

『王位』2021年防衛(2020年獲得)

『叡王』2021年獲得

『王将』2022年獲得

『棋聖』2021年防衛(2020年獲得)


「ジブリパーク誕生」

11月1日、スタジオジブリの世界を表現した公園施設「ジブリパーク」が、愛知県長久手市の愛・地球博記念公園内に誕生しました

テレビでは来場者の様子が連日報道されており、番組内では愛知県のグルメコーナーも増えています。


「ぎふ信長まつり開催」

11月6日岐阜県岐阜市の「ぎふ信長まつり」に木村拓哉さん降臨。

岐阜市出身の伊藤英明さんが、以前「ぎふ信長まつり」の信長役を務めたことがあり、来年1月下旬から全国上映される映画「THE LEGEND&BUTTERFLY(レジェンド・アンド・バタフライ)」で木村さんが信長役を務めることから、映画で共演する二人が騎馬武者行列に参加。

大きなトラブルもなく、大盛況、経済効果は約150億2400万円とのことです。

伊藤英明さんのお母さんが作った干し柿がおいしかったと、木村拓哉さん。

今、世界が東海地区に全集中!

(月刊花火句会事務局)

 


 



一席 

赤い服帽子の下は木の葉髪/三枝

玉砂利に寝転ぶ子あり七五三/按庵

古伊万里に銀杏落つる寺の市/仁誠



 

( )は点数 は特選句

 

山口勝行

値切り方手馴れしものよ熊手買ふ(5)

無造作に千姫脱がせゐる菊師(3)

過去の佳き事のみ語り日向ぼこ(3)

著ぶくれの姿互ひに笑ひ合ひ(1)

七人の敵潜り来し木の葉髪

 

上田三枝

赤い服帽子の下は木の葉髪(5)◎◎

冬に入る介護の父と大笑い(2)

追い越しし駆け足の子の息白し(1)

大根の白引き立てる味噌は赤

初草履シャリシャリ歩く七五三

 

高津按庵

玉砂利に寝転ぶ子あり七五三(4)◎◎

冬天や採石にえぐられし山(2)

枯れ草や後円墳のくびれにも(1)

七五三今日のレースはハ五三(1)

句造りに呻吟をして木の葉髪

 

河村仁誠

古伊万里に銀杏落つる寺の市(3)

稲架解きて地酒看板顔を出す(3)

無人駅一人夫待つ冬隣(1)

木の葉髪出掛ける前のガムテープ(1)

湯豆腐の満たし温める気と体

 

原藻六

冬鳥の来て僻村の賑わえり(3)

夜道来て熱燗に指温める(1)

あれこれの見切り時なる初冠雪(1)

大根とちくわで足れりおでん酒

辻褄の合わぬがままに木の葉髪

 

中谷U太

母は母として生きしや寒椿(2)

大方は忘れて笑う木の葉髪(1)

いつかまたきつと逢えると夕紅葉(1)

冬鴎マドロスの歌は早口

寒月や送りに行つて行つたまゝ

 

加藤小麦

はつらつとこの道行けば木の実降る(1)

木の葉髪あれとそれにて会話成る(1)

記憶力脳より出でて木の葉髪(1)

ガンダムのフィギュア根方に冬紅葉

木の葉髪そろそろ支度せにゃならん

 

梶原信史

稲架を解く里の静寂の深まれり(1)

枕辺に旅行誌ひらく夜長かな(1)

木の葉髪父の叙勲に及ばざる

落葉して銀杏並木に早人出

堤防に発止と跳ねて鯊釣れぬ

 

御酒一筋

縁側にまんじゅう食って小春かな

大福を三日続けて小春風

木の葉髪男も女も犬猫も

木の葉髪荒れた野原もなつかしき

木の葉髪リーゼントにして何悪い

 

仲野カモメ

木の葉髪古希となりても留め難し

木の葉髪写真の我が身哀しけり 

山紅葉献燈拝観奥の院

七五三写真台無し照れ屋さん

俳聖殿姿拝して頷けり


※今回カモメさんからは特選のみの選句となりました。




 

〈特選〉


古伊万里に銀杏落つる寺の市/仁誠

大銀杏の樹下の骨董市の賑わいにぎんなんも参加するという俳諧味が面白い。

 

〈入選〉

木の葉髪父の叙勲に及ばざる/信史

ご先祖様! 誠に申し訳ない。

稲架を解く里の静寂の深まれり/信史

(稲架を解く)を(稲架解きて)に

農閑期の里は殊更寂しい、近頃は稲架の景が消え行く事も寂しい

枕辺に旅行誌ひらく夜長かな/信史

ウイズコロナに旅ごころを高める。

句造りに呻吟をして木の葉髪/按庵

呻吟もスキルアップの一手段頑張って下さい。

枯れ草や後円墳のくびれにも/按庵

枯れ草の輪廻、春が待たれる

夜道来て熱燗に指温める/藻六

指を温め心を暖めるのは適量が良し、過度は財布が冷える。

冬鳥の来て僻村の賑わえり/藻六

冬鳥の飛来を待ち居る里のささやかな活気。

無人駅一人夫待つ冬隣/仁誠

アッシーの妻に感謝、冬が近づけば尚のこと。

追い越しし駆け足の子の息白し/三枝

若者は羨ましいねえ、老いの身は駆けなくても息白し。

 

〈添削句〉

木の葉髪あれとそれにて会話成る/小麦

木の葉髪あれそれで成る会話かな

大根の白引き立てる味噌は赤/三枝

赤味噌に大根の白引き立ちぬ

落葉して銀杏並木に早人出/信史

落葉して銀杏並木に人出急

ガンダムのフィギュア根方に冬紅葉/小麦

ガンダムのフィギュアに降る冬紅葉

冬天や採石にえぐられし山/按庵

採石にえぐられしまま山眠る

 

〈所感〉

 十一月は一年のうち季題の量が二月や八月と共に極めて少ない月であり、まして最近の温暖化で夏の陽気が長く、秋が短く感じられるので、句が拾いにくく、作句に呻吟する月であるかも知れない。十一月は俳句では初冬期であるが、なんとなく中途半端で、曖昧な季節であるような気がしてならない。

 


 


 

仁誠五句選

無造作に千姫脱がせゐる菊師/山口勝行

いつかまたきつと逢えると夕紅葉/U太

冬に入る介護の父と大笑い/三枝

冬鳥の来て僻村の賑わえり/藻六

特選

値切り方手馴れしものよ熊手買ふ/山口勝行

熊手でも何でも物を買うときには値切りたくなるのが人情、ただ熊手は縁起物、縁起物を値切って縁起が失われないか心配でもある。

しかしながら酉の市の売買を見ていると買い方はしっかり値切り売り方は已む無く応じる。

そこで手締めが行われるのだがお金を払う際には値切った金額を祝儀として払い結局定価で買ったことになる。

そのやりとりを楽しむのが熊手を買う醍醐味であり値切る楽しさでもある。

自信句

稲架解きて地酒看板顔を出す

いつも通っている道でも急に空き地が出現すると以前此処には何があったか思い出せないことが最近増えてきた。

それと同じで電車沿線でもよく起きる、その一例がこの句である。そういえば昔から地酒看板が有ったなと思いだすわけである。

でもこの風景も稲架自体がお目にかかれない昨今もう見られないのではと思っている。

 

 

按庵、5句選

あれこれの見切り時なる初冠雪/藻六

冬鳥の来て僻村の賑わえり/藻六

稲架解きて地酒看板顔を出す/仁誠

古伊万里に銀杏落つる寺の市/仁誠

特選

赤い服帽子の下は木の葉髪/三枝

最近のじいちゃんは若い格好をしている。だが、頭髪までは若くみえぬ!

とてもユーモラスでいいですね。

自信句?

玉砂利に寝転ぶ子あり七五三

先日、孫の七五三詣で熱田神宮を訪れた。正装の孫は、つまらなそうに玉砂利の上に大の字に!面白かったのでそのまま句にしました。

 

 

を打ったのは「赤い服帽子の下は木の葉髪/三枝」。ただ少し我儘を言わせていただいて、「レジェンドの帽子の下の木の葉髪」にしたい。(赤い服)でもいいけど、イメージがわきにくいので。三枝さん、勝手に手を加えてスンマセン。

その他の選句は、

大方は忘れて笑う木の葉髪/U太

稲架を解く里の静寂の深まれり/信史

値切り方手馴れしものよ熊手買ふ/山口勝行

古伊万里に銀杏落つる寺の市/仁誠

ただし「稲架を解く里の静寂の深まれり/信史」の(静寂(しじま)の深まれり)は(寂寞深まれり)に。「古伊万里に銀杏落つる寺の市/仁誠」の(古伊万里)は再考必要か。古伊万里は高価、寺の市にはないと思う。どんぶりでどうでしょうか。文句ばかりでスンマセン。

自信句とまではいきませんが、「夜道来て熱燗に指温める」がわてのイチオシ。(熱燗に指温める)、これ、いいでしょ。ほんわかとした情景が浮かびますやろ。浮かばん? あ、そ。

 

特選句

玉砂利に寝転ぶ子あり七五三/按庵

理由

先日孫の七五三を体験。三歳など「何のこっちゃ?」訳分か〜へんわな。ちょっとお行儀悪いがさもありなんの景。

自信句

なし

小生も先日、孫の七五三を熱田神宮にて経験した。着飾ることは記念や記憶としてはよいのであろうが、次第についてはベルトコンベア式のようで厳かさが薄いように感じた。「神の大前に・・」、 厳粛に参りたい。時代の移り変わりか。

 

 

「五句選」

値切り方手馴れしものよ熊手買ふ/山口勝行

過去の佳き事のみ語り日向ぼこ/山口勝行

無人駅一人夫待つ冬隣/仁誠

冬鳥の来て僻村の賑わえり/藻六

「特選句」

冬天や採石にえぐられし山/按庵

掲句より三重県の藤原岳を浮かべた。員弁街道を関ヶ原に向けて北上すると、山肌の一部が「えぐられた」その山が見えてくる。石灰石が採掘され、セメント工場に運ばれているようである。

景観喪失のみならず、作者は自然災害による集落への洪水被害や土石流への不安を感じつつその対策を訴えていると読取った。

「自信句」

木の葉髪父の叙勲に及ばざる

数年かけても遺品整理ができていない。終活を意識しながら断捨離を続けている昨今である。先日40年ほど前になろうか亡父が瑞宝章を受章した時の勲章を見つけた。見るにつけ、触れるにつけて元気な頃の父が偲ばれる。遺影の父は「木の葉髪」、髪の薄さは父に劣らないが、戦後公僕として奉仕してきた父の偉業には足元にも及ばない。

 

 

小麦入選句

古伊万里に銀杏落つる寺の市/仁誠

夜道来て熱燗に指温める/藻六

七五三今日のレースはハ五三/按庵

追い越しし駆け足の子の息白し/三枝

小麦特選句

稲架解きて地酒看板顔を出す/仁誠

稲架かけは、毎年同じ場所でするだろうから、稲架を解いて地酒看板があらわれたことに驚くのは、地元の人ではなく、旅行者とか、久しぶりにここを訪れた人でしょう。「えっ、こんなところに由緒ありそうな地酒看板があったのね」と新しい発見をしたことで、にわかに、このなんの変哲もない田舎の風景が面白いものに見えてきた。そんな心の動きが感じられました。

今月の自信句

木の葉髪あれとそれにて会話成る

あのさ、ほれ、あれよ。それがあれして、やっぱりあれはだめよねー。会話のほとんどを指示代名詞で成り立たせるご同輩のみなさま。木の葉髪、ハラハラ落としながら、あれそれトークを楽しみましょう。

感想

11月も半ばだというに、日中の暖かさは、ちょっと不気味。寒いの苦手なので、ありがたいんだけど、本当に気候変動を実感しますね。そんな中、みなさまの面白い句や興味深い句に接して、つかの間、現実逃避。どうせいつかはあちらの世界に行くのだし、そんなにくよくよしたって、始まらないさー。できることやりたいことを淡々とやっていけばいいのさー。開き直ってるわけじゃござんせんが、頭であれこれ考えるより、手足使って行動行動。考えすぎると木の葉髪、増えちゃうしね。

 

 

【選句】

赤い服帽子の下は木の葉髪/三枝

冬に入る介護の父と大笑い/三枝

木の葉髪あれとそれにて会話成る/小麦

枯れ草や後円墳のくびれにも/按庵

特選

無造作に千姫脱がせゐる菊師/山口勝行

【特選の理由】

情景が明確に目に浮かびました。その様子を見ている作者の表情と、心の内も明確に伝わり、私も同じような気持ちになることができました。

【自信句】

「冬鴎マドロスの歌は早口

自信句と呼べるものはありません。俳句は大概、午前三時頃に目が覚め、深夜ラジオの「日本のうた心のうた」を聴いている時にできます。その時の句はいつも大傑作に思えるのですが、朝起きて読んでみると、いつも「何やこれ・・・」というような珍作愚作ばかり。

この句もその一つですが、何故か捨てがたくて、自信句にいたしました。懐メロと言うとぼくにまず浮かぶのは、並木路子の「リンゴのうた」で、あの独特の早口が焼き付いているものですから、こう言う句ができてしまったのだと思います。

 

 

一筋選句です。

並選

はつらつとこの道行けば木の実降る/小麦

記憶力脳より出でて木の葉髪/小麦

木の葉髪出掛ける前のガムテープ/仁誠

過去の佳き事のみ語り日向ぼこ/山口勝行

特選

母は母として生きしや寒椿/U太

アメリカ移民の二世として大正9年アリゾナ州で生まれ、6歳のとき父母と離れ日本へ。厳格な祖父のもとで育てられ、やがて結婚して生まれたのが私です。四国の武将の家老職にあったという家柄の母は、今でいうところの武家の娘。年老いてなお武家の風格がありました。晩年、旅行や外食などに誘うと「わたしは常がいいの」と語り、いつものくらしを何よりも大切にしていた母です。

自信句

縁側にまんじゅう食って小春かな

 

 

入選
著ぶくれの姿互ひに笑ひ合ひ/山口勝行

値切り方手馴れしものよ熊手買ふ/山口勝行

過去の佳き事のみ語り日向ぼこ/山口勝行

枕辺に旅行誌ひらく夜長かな/信史

特選

玉砂利に寝転ぶ子あり七五三/按庵

特選の理由

情景がすぐに浮かぶ句でした。周りの様子や声まで聞こえてきそうな句でよかったです。

自信句

大根の白引き立てる味噌は赤

大根は色々な姿に変化したり色づけできるけど、でも大根はやっぱり白と思えて作った句です。

感想

季題がとにかく難しかったです。相変わらず簡単な季語でしか俳句がつくれませんが、季語を調べたりしている時は楽しかったし勉強になりました。時々頑張るくらいが私には丁度いいみたいです

 




12月句会ですが、久しぶりにリアル句会を行います。

句会終了後『プチ忘年会』を行いますので、ぜひご参加ください。


【日時】 2022年12月10日(土) 17:00~

【場所】 名古屋市短歌会館2階集会室

【兼題】 『嚔(くさめ)』を含む当季雑詠5句

 

投句の方は、12月8日(木)までに下記宛てにお送りください。

【宛先】 haiku_hanabikukai@yahoo.co.jp